vol.32

このページでは、日本各地に潜む物の怪を毎回1匹ずつピックアップ。オリヂナルイラストをつけて紹介してゆきます。




鳥山石燕の画図百鬼夜行には屋根から天窓を覗く鬼のような怪が描かれている。庚申待ちの日、早く寝る者はいないか監視しているのだと謂う。この怪を避けるには「しょうけらはわたとてまたか我宿へねぬぞねたかぞねたかぞねぬば」という呪いを唱えると良い。鳥取県東伯郡ではしょうけらが民間でも伝承されている。こちらは一つ目で長い舌を持っており、光明寺門前の欅の木に住んでいる。暗くなるまで遊んでいた子供が欅の前を通ると、「磨かれたか磨かれんか」「なめてごぜぇー」と言いながらすりこぎを突き出すと謂う。庚申待ちの際信仰する青面金剛の手にする合掌女人も「しょけら」「しょうけら」と呼ばれている事から、物怪観光のお化け繪は背中に擬態のように女人の姿をあしらっている。
<参考文献>「鳥山石燕 画図百鬼夜行」  高田衛監修
                     稲田篤信・田中直日編