vol.34

このページでは、日本各地に潜む物の怪を毎回1匹ずつピックアップ。オリヂナルイラストをつけて紹介してゆきます。




年を経た猫は妖力を身につけ、怪異を起こすと謂う。ある時、番町付近の武家屋敷では雀を捕らえようとした猫が獲物に逃げられ、「残念なり。」と言葉をしゃべった。同じような場面で言葉を発した猫は牛込山伏町にも居たと謂う。こちらは狐と交わって生まれた猫だそうだ。立川市の柴崎町付近では手拭いがなくなる事件が発生。飼っている猫の動きが妙なので、不審に思いつけてみると、近所の猫達が集まって手拭いを被って踊っていた。その事を話しているのを聞いた飼い猫はその日から姿を消したと謂う。猫はその愛くるしい仕種や、鼠などの害虫を駆除してくれるという理由等から、古くから愛玩動物として親しまれてきた。一方で死期が近づくと姿を消すなど、神秘的な行動をとる為、物の怪視される事が多い動物でもある。
<参考文献>「全国妖怪事典」千葉幹夫編
      「続立川のむかし話」立川市教育委員会発行