vol.38

このページでは、日本各地に潜む物の怪を毎回1匹ずつピックアップ。オリヂナルイラストをつけて紹介してゆきます。




鳥山石燕の「画図百鬼夜行」や、「化物づくし」「百怪図巻」「化物絵巻」等に描かれる肉塊に目鼻、手足の付いた物の怪。ビジュアルばかりで説明は一切ないが、現時点の調査では人の姿をしていて目鼻のない「のっぺら坊」と関係があると謂われている。妖怪研究家・多田克己氏によれば「ぬっぺっぽう」は人型の「のっぺら坊」のより古い形態であると謂う。
伝承に於いては京都府四条や二条河原に「ぬっぺりほう」なる怪が出たと記録があるが、こちらは目、鼻、口のない人型である。二条河原に出た方は太い毛を残していると謂うので、どうやら体毛らしき物もある様だ。「のっぺら坊」伝承は古く、中国にそのルーツがあると謂う。一方絵姿の「ぬっぺっぽう」もそのとらえ処のない形態の割に今まで大幅にその姿を変える事なく、多くの絵師達によって描かれ続けて来た。あの独特の形態は、物の怪造形に於いても普遍的な形なのかもしれない。
<参考文献>
     「鳥山石燕 画図百鬼夜行」 高田衛監修 稲田篤信・田中直日編
     「全国妖怪事典」 千葉幹夫編
     「妖怪図巻」   京極夏彦文 多田克己編・解説