このページでは、日本各地に伝わる物の怪に纏わる物産を、物の怪観光が誇る物怪博物館コレクションの中から毎回一点づつ紹介してゆきます。




上段2点「張り子面(大、小)」、下段左「絵馬土鈴」
下段右2点「張り子起き上がり(青、緑)」

四国高知を代表する物の怪と言って真っ先に思い浮かぶのは何と言っても「しばてん」だろう。「芝の天狗=しばてん」は男の子の姿をしており、非常に怪力だと謂われている。榎の木に棲み、夜姿を現しては道行く人と相撲をとりたがる。本州で謂う河童に似た性格を持っており、春には山を降りて猿猴(えんこう)になると伝える土地もある。そんな高知にはかつて地元土佐を代表する郷土玩具作家としてその名を馳せた女流作家・山本香泉がいた。彼女は焼き物や張り子など、様々な表現方法を使って、地元に根ざした郷土玩具を生み出した。そんな彼女の代表作に「しばてん」の郷土玩具があった。土鈴や張り子の起き上がり、張り子のお面等、独特な表情を持つこれらの玩具は、地元のみならず、多くの郷土玩具愛好家に親しまれた。しかし、三代目まで続いた香泉人形もその後、後継者に恵まれず、廃絶の危機にさらされた。そんな折、香泉の所有していた型を一手に引き受け、香泉人形を継承したのが「とさ民芸店」である。ここではかつて香泉1人が手掛けた数々の作品を、その道のエキスパートにそれぞれを担当してもらう事で、クオリティーを下げない事に成功している。現在入手可能なのは、張り子のお面と起き上がり、そして土鈴の「しばてん」と「権九郎狸(これも高知を代表する狸)」が付いた絵馬土鈴である。型はあるので、今後はどんどん種類を増やしていく予定だとか。「とさ民芸店」が商品の復元を始めて早10年以上だそうである。こんな貴重な物怪物産が残っているのも、こういった地道な活動があってこそである。送料を払えば地方発送もしてくれるので、興味のある方は是非とも問い合わせて戴きたい。土佐面・しばてん(大)1800円、(小)600円。しばてんの起き上がり1800円。絵馬土鈴2500円也。
<お問い合せ先>とさ民芸店 TEL 088-882-0171、FAX 088-882-0172
<参考文献>「ふるさとのおもちゃ 土佐の郷土玩具・おひなさま・きんたろう」高知県立歴史民俗資料館編集・発行