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このコーナーでは、毎回巷にあふれる様々な商品の中から、その存在自体不思議な物の怪テイストのアイテムをエッセイ風に紹介します。
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かねてよりこのコーナーで紹介したいと思っていたmononoke monoの一つ、「ペットボトル」をようやく取り上げる事が出来た。このコーナーで扱う物は、基本的には市販されている商品の中で、なんだこれは !?といったグッズ関係が多い。そういった意味では「ペットボトル」はあまりに生活に密着していて、しかも便利で、ここ数年の活躍ぶりから考えればmononoke monoなんて呼ぶのは失礼な気さえする。しかし、便利とはいうものの、この独特の風貌の器を生活に馴染ませる為に、我々は随分と苦労して来た。持ち歩き、飲むという処までは圧倒的な便利さを誇るが、その後の取り扱いは難しく、リサイクルシステムが確立されるまでは怪しい再利用方法も多数考案された。私の記憶しているかぎりでは、かなり早い段階からペレット状に加工され、フリース等に再生されていたと思うので、生産者レベルでは、開発の段階からリサイクルという事は念頭に置かれていた筈である。しかしペットボトルの回収が定着するまでの間、市民レベルでは、なかなか苦しい使われ方をしていた。その代表的な例がペットボトル工作の定番、風見鶏である。ボトル本体の各所に切り込みを入れ、羽を作り、風を受けて回るようにする工作である。ちょっとした角度で羽が回った瞬間の感動はなかなかだが、結局あまり使用される事はなく、庭の片隅でモノノケと化し、カラカラと哀しげな音をたてている。そしてもう一つ、これがもっともポピュラーな使い方、犬猫除け。水を満たしたボトルを軒先に置いておけば、犬や猫が寄りつかず、糞尿の害にさらされる事が無いというもの。これは爆発的ヒットを呼び、糞尿被害に悩む人達の家の周りをきらきらと彩った。しかし、ご存知の方も多いように、この効果には科学的根拠はなく、ニュージーランドやオーストラリア等、海外を発信源に広まった一種の都市伝説なのである。テレビなどでこの事が報道された1994年頃から10年を経過した現在でも、たまに軒先で見かける事からも、この噂が如何に根強いかを物語っている。中には効果がない事を知っていながらも、犬猫嫌いという看板代わりに置いている人もいるとか。そしてついにはそんな噂に対抗するかのように、「水入りペットボトルに日光が当たると、ボトル内の水がレンズの役目をはたし、火災が発生する」という噂まで登場する始末。勿論、これにもなんら科学的根拠はないが、一つの物を取り巻く、人々の心理を表しているようで面白い。最近では温かい飲み物を入れられる物が登場したり、折り畳み式ボトルが試作段階に入る等、私達の生活にとって必要不可欠な容器となりつつある「ペットボトル」。しかし、現代の器物の持つモノノケ的側面に気付いた時、あなたも彼らの事をmononoke monoと呼ばずにはいられなくなる事だろう。
<参考文献>「口コミのメカニズム」ダカーポ320号(1995年3月1日発売) 「東京の噂スペシャル」河西保夫&トーキョウ・ルーマーズ編
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