バケラ-BAKERI-とは日本の固有種である「お化け」の痕跡を、丹念に発掘して制作された標本です。本来はイメージとして存在している物なので、架空の生物の化石として分類されています。今回紹介するミエバケラ類(可視バケラ類)のカタバケラ目(固形態バケラ目)だけでも3科11属2000種程と謂われていますが、その全貌は今だ明らかにされていません。一般的にはミエバケラ類とキエバケラ類(不可視バケラ類)を合わせてバケラ-BAKERI-と呼んでいます。バケラとはお化けの欠片という日本の造語ですが、日本以外ではこれに該当する言葉が見あたらない為、今の処はこの呼び方が一般的とされています。(一部学者の間ではFRUSTUM SPIRITUM <霊的な破片>と呼ばれる事もあります。)大きさや組成は様々で、採集されるとすぐに調査班の方で分類され、採集地などを記したラベルを付けて保存されます。


バケラ-BAKERI-は只の標本ではありません。その姿形は私達の心の奥底に潜む闇を表していると謂われています。その怪しく醜い姿を見る事で、自分に眠る闇を自覚させる、いわば心の薬の役割を果たします。その昔、河童や鬼のミイラがお寺などの説教に利用されていた様に、バケラもその由来と共に人々の鑑賞の為に使われます。その伝搬はかつてのミイラと同じく、家庭用常備薬の販売員等によって行われると謂われています。標本は処方が記された薬袋に入れられ、購入された方に配られます。

「ばけら売りの図」
バケラは家庭用常備薬と共に
訪問販売されていた。

 「薬袋」
 バケラは見る薬として
 薬袋に入れられ配られる。