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ご存じ本所七不思議の一つ。東京を代表する怪異談ともいえるこのお話、この堀で魚を釣ると「置いてけ、置いてけ」と声をかけられ、気が付くと釣った魚が無くなっていると謂うのが大方の筋のようです。場所については諸説あります。荒俣宏氏の「日本妖怪巡礼団」では両国駅北口の御蔵橋下付近を挙げていますが、現在は整備され、公園等になっています。正体についても諸説あって、河童、川獺、鯰等様々です。釣った魚に関しては全部置いて行かなければならないという話や、数匹返せば良いという物等、土地によって微妙な差異があるようです。「天に一つは秋の柿」何事も程々が良いという事なのでしょうか。
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おいてけ堀の主は一説には鯰だと謂われています。水中から音をたてて、人を誘うと謂う中国地方の物の怪、鯰狐(なまずぎつね)の正体も年老いた鯰だと謂われています。では実際に声を発する鯰なんているんでしょうか。日本の中部以南の本州、四国の一部の河川、湖沼にはギギというバグルス科の鯰が生息しています。ギギは胸ビレの棘を動かして「ギーギー」と威嚇音を出します。日本には生息していませんが、ドラス科の鯰も同じように威嚇音を出す事から、熱帯魚屋さん等では「トーキングキャット」という名前でも販売されています。ちなみにmononoke monoのコーナーでも何度か取り上げているように、我が社ではドラス属の鯰のみを収集、飼育しています。この鯰、無骨な容姿とは裏腹に、性格は至って温和なのですが、他の魚にいじめられたり、掃除の際等に網ですくったりすると、胸ビレの基部の骨を擦り合わせて音を出します。この音は蛙の鳴き声のようで、かなり響きます。彼らは夜行性の為、この音が聞かれるのは大抵深夜。真っ暗な社内に響く怪音は確かに怪しいです。この音を人気のない沼などで聞いたら、さぞ薄気味悪い事でしょう。

中国産ギギの図-体色等に若干の差異があるが、日本産と同属である。
<「An Atlas of Freshwater and Marine CATFISHES」より>
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